注射用動物用医薬品の不適正な使用による注射部位の病変

摘要

疾病の予防や治療に絶大な効果を発揮するワクチンや抗菌剤などの注射用動物用医薬品（以下注射薬）は、現代の畜産経営においてなくてはならないものです。これらの効果を発揮させるためには、添付されている説明書に沿って注射薬を適正に使用する必要があり、これが守られないと効果が斯待できないばかりでなく、副作用が起こることがあります。食品のポジティブリスト制度が今年の五月二十九日に施行され、用法、用量、休薬期間などを守って動物用医薬品を使用していることを証明するために、投薬を記録し保管することがこれまで以上に強く求められるよぅになりました。 このような情勢の中、動物用医薬品の適正使用に対する意識は高まっていますが、本稿では、その重要性を注射部位病変の残存という点からご紹介したいと思います。