臨床獣医師が教える：衛生管理の基礎講座(10)マレック病（後編）

摘要

1970年4月にJAぁぃち経済連に就職して、農畜産物衛生研究所に勤務しました。当時、愛知県下には多くの中小規模の養鶏場があり、また、鶏の病気も多く、毎日のように病性鑑定をしておりました。当時の外国から輸入された白色レグホン系の採卵鶏は高産卵を示し、優れた銘柄でしたが、マレック病(以下、MD)の発病率は非常に高く、20-30%の死亡率は当たり前のようにありました。育成鶏や若い成鶏での減耗が高いことは、成鶏舎(1棟に複数の群が同居)に鶏を常に満杯にするには、育成舎の稼働率(回転数)を上げる必要がありました。当時の飼育形態(幼雛舎、中雛舎〈廃温舎〉、大難舎)では、幼雛舎へのヒナ導入時には大雛舎には常に育成ヒナがおり、育成鶏や成鶏(育成舎に隣接)からフケとともに排泄されるMDウィルスが、幼雛や中雛に感染することのくり返しのように田ひえました。