八チミツの持つ抗菌作用と その養蜂における応用

摘要

石器時代以来、ハチミツは人類の食生活に豊かさを与えてきた（Crane 1983)。ハチミツ は、豊富な炭水化物食品として使用されてき た。工業的に生産された砂糖（Crane 1975) が導入されるまでは、主要な甘味料でもあつ た。ハチミツが多くの国で「神食」であったこと 考えると、歴史的にハチミツが健康改善食品と 扱われてきたり、さまざまな健康状態に対する 追加的な治療に利用されてきたことは妥当であ るといえる(Zumla and Lulat 1989)。東洋 と西洋の古代の文化では、ハチミツは創傷に塗布され、さまざまな内臓疾患の治療薬として 使用された（Jones 2001)0昔から、ハチミツ は非常に強力で特別な特性を保有しているこ とが知られていた。これらの特性の1つは、雑 菌の増殖を抑制する能力である。ハチミツの 抗菌作用は、1892年にオランダの科学者van Ketelによって最初に認識され、その後、これ らの結果を確認する多くの同様の研究が続い た（Dustmann 1979)。これらの結果は、細 菌発達に対する抑制効果の結果として、ハチ ミツが種々の細菌の増殖をうまく阻害できること を示している（Molan 1992a, b; Jeffrey and Echazarreta 1996)。細菌の増殖を阻害す る能力とともに、ハチミツはさまざまな炎症の 治療にも役立つ（Ahmad et al.2009)。これらのプロセスは創傷内で起こり（Medhi et al. 2008)、そこでハチミツは中間体を形成し、そ れによってさらなる細菌のコロニー 形成を阻害 する。消化管(Al-Waili and Boni 2003)の 内部では、ハチミツは抗炎症性のあるプロスタ グランジンの濃度に影響し消化管内の炎症 を低下させる。