2014年から2015年にかけて日本で発生した高病原性鳥 インフルエンザについて

摘要

2014年12月に日本でH5N8亜型の鳥インフ ルェンザウィルスによる高病原性鳥インフルェンザ（HPAI)が発生した。2004年以降、日本 において数回HPAIが発生しているが、多くは H5N1亜型ウィルスによる発生で、H5N8亜型 によるものは2014年4月の熊本県での発生以 来2度目となった。4月の熊本県での発生は1 件のみで終息したが、12月以降の発生は大規 模養鶏場を含む5戸での発生となり、多くの鶏 が殺処分されるに至った。農林水産省は発生 確認後直ちに専門家からなる疫学調査チーム を設置し、同チームと関係者によって発生原因 の調査が進められた。その結果が2015年9月 に報告書としてとりまとめられ公表された。本稿 ではその報告書の概要について解説する。