黒毛和種における全ゲノムリシーケンス解析を用いたォレイン酸含有率QTLに 対する候補多型の探索

摘要

黒毛和種は元来、優れた肉質を有する日本 の肉用ゥシ品種であり、これまでの育種改良に おいても脂肪交雑を主とした改良が進められ てきた。最近では、肉中に多くの脂肪交雑が認 められるようになったことで、脂肪の量だけでな く質にも注目が集まるようになった。筋肉中脂肪 は種々の脂肪酸により構成されるが、種類ごと にさまざまな性質を示すことが明らかとなって いる。特に、構造中に二重結合を含む脂肪酸 は不飽和脂肪酸に分類され、くちどけに繋がる 脂肪の融点に好ましい影響を与えることから、 その割合が牛肉のおいしさを決定づける要因 の1つと考えられている。特に不飽和脂肪酸の中でもォレイン酸（C18:l)は、良い風味を呈す ることやヒトの健康にも好影響を与えることが知 られており、その割合の増加が望まれている。