ドイツにおける畜産情報提供、利用の実態（IV） － 個体識別制度の必要性と現状 －

摘要

畜産経営が大型専業化してきた現在、経営主は農業者から経営者への自己変革が求められ、さらに、経営者の能力も問われるようになってきた。 その経営者の能力をはかる尺度のひとつとして情報活用能力がある。日々、進化している畜産に関する最新の情報を、いち早く知り、内容を吟味し、自分の経営に適合しうるものを取捨選択することは、経営者に要求される能力である。また、経営の実践データを収集、分析し、問題点を把握し、修正する能力も、経営者は求められている。前者は、経営外部情報の活用能力であり、後者は経営内部情報の活用能力である。経営を取巻くこれらの情報を有効に活用することができるか否かで、経営の収益性は大きく左右きれるのである。