地中熱利用のフリ ーン牛舎を活用した集約放牧で鏟営技術を向上一平成27年度全国自給飼料生産コンクール審査講評から一

摘要

フリ一バーン牛舎は寒地の酪農経営では普 及が難しいとされていたが、北海道標茶（し ベちや）町の長坂牧場は地中熱利用システム を取り入れた新タィプのフリ一バーン牛舎を 新設、集約放牧方式の牛舎として活用するこ とにより、人にも牛にも快適な環境を作り、 乳牛の健康の維持、診療、医薬品費の削減、 高品質生乳生産を達成している。長坂牧場は中規模の家族酪農経営で、家族 労力に余裕がありながらも充分な所得を得て おり、冬が長い寒地向きの放牧酪農経営の先 導的な事例である。長坂牧場は経営理念を「健 康な乳牛飼養と持続可能な資源循環のもとに 生産された生乳は消費者から評価される」に おいており、草地面積と飼養頭数のバランス がとれた適正規模の経営に取り組み、飼料自 給率を向上し、家族労働時間の短縮によるゆ とりを生み出している。