畜産環境対策の研究開発における産学官連携の重要性一最近の情勢および対応を研究開発等の視点から概括する一

摘要

わが国の畜産が健全に発展するためには、 生産性の向上や高品質畜産物の生産と併せて、 環境問題に対する国民の意識の高まりなどに も十分配慮をしながら、家畜排せつ物の適切 な処理、利用、畜産に起因する悪臭、水質汚 染などに新技術なども活用しつつ的確に対応 することが極めて重要な課題となっている。そこで、本稿では畜産環境問題を巡る最近 の情勢および対応について、研究開発等の視 点から概括する。平成11年の家畜排せつ物法の施行以降、畜 産経営においては、家畜排せつ物の適切な管 理、利用が行われているが、より低コストで より効率的な処理に対するニーズは一層高 まっている。また、産学官が連携した研究の 推進、畜産環境に関する正確な知識の普及、 環境問題の解決を担う人材の育成の強化等が 求められている。