国内育成優良品種による粗飼料の増産を

摘要

世界の穀物市場は新興国における需要拡大やバイオエネルギーの利用拡大を背景にひっ迫基調にあり、1昨年以降高騰した穀物価格が、畜産経営を大きく圧迫してきました。輸入飼料の高騰に対しては、購入飼料から自給飼料への転換を進め、輸入穀物飼料への依存度を減らし、経営の体質を改善することが重要です（表1）。この自給飼料への転換に当たっては、日本の気候風土に合わせて育成された生産性の高い優良品種の利用が有利です。　国内の公的機関で育成された飼料作物の新品種は、家畜改良センターにおけるもと種子の生産を経て、採種に適したアメリカなどの諸外国において増殖したもので、販売される種子は高い品質を保持しています。ここでは本誌2008年8月号に続き、民間の種苗業者を通じて近日中に販売が開始される予定の新品種について紹介します。日本の気候風土に適した国内公的育成品種をぜひ活用ください。