家畜育種の理論とその応用（16）家畜育種の経済的側面一とくに経済的重みづけ値を中心に－

摘要

家畜育種のねらいは，家畜の遺伝的能力を改良して，次世代に，効率的で望ましい家畜や畜産物を生産することである。 ここで，「効率的で望ましい」ということは，一般には経済的に効率が高いことを意味している。すなわち，家畜生産の客観的な評価基準として，暗黙に「経済性」が尺度として用いられている。 それゆえ，育種家も農家も家畜の生産や改良に携わるものは，本来，家畜からの利益を最大にする目的で家畜の経済形質の遺伝的な改良を行なっていると言っても過言ではない。