富士ミルクランド「有機の里づくり」の展開--西富士開拓の酪農の歩みと有機農業への転換--

摘要

2003年5月，わが国の戦後の食品安全行政の大転換といえる改正食品衛生法と食品安全基本法が第157回通常総会法律第48号で成立した。 新しく制定された食品安全基本法は，「農場から食卓まで」を通して食品の安全性を支えるための法律で，これまでの生産者主導から消費者主導へと大きく転換しているのが特徴である。生産者は，国民の健康志向に別して安全な食糧を供給し，さらに地域の環境保全を前提とした持続的な農業を行わなければならない。 酪農においても同様に，消費者重視の立場から「おいしく，安心して飲める」牛乳の生産にこれまで以上に取り組むことが必要になった。 このような背景の中で富士開拓農業協同組合の「有機の里づくり」は，安全な食品の供給と有機農業の確立という時代のニーズに応えるために農協が中心とな生　 地域生産者自らが放牧酪農，放牧養豚および有機野菜栽培の生産とその総合的な販売への新たな挑戦を行っている。