最後の情報未開地·水中にネットワーク環境を構築

摘要

JEITA（電子情報技術産業協会）のALAN（エーラン）コンソーシアムは，水中に新たなネットワーク環境の構築をめざし，今月7日に開かれた記者会見では，最初のプロジェクトとして水中LiDAR（高精細カメラ）の開発がスタートしたことを明かした。陸上ではあらゆる機器が有線·無線LANによるネットワーク環境でつながっているが，水中はいまだ音波など限られた通信手段しかなく，インターネットに常時接続できない未開発領域。ALANコンソーシアムでは，新たに水中のLAN環境を構築するため，水中光無線技術など水中で活用できる材料·デバイス·機器·システム·ネットワークの開発をめざす。16年にJEITAベンチャー賞を受賞したトリマティスが代表を務めるほか，開発には，海洋研究開発機構（JAMSTEC）の光技術応用や，14年にノーベル物理学賞を受賞した名城大学の窒化ガリウムを用いた青色LED技術などが活用される。近年，水中という最後のフロンティアの開発はアメリカ·中国·ロシアでもみられる。日本は領海·排他的経済水域で世界6番目の広さを誇ることから，他国に先駆けて水中環境の活用を主導していきたいという。