銀塩感光材料の潜像核分散とプラズモン共鳴発光による放射線飛跡の検出

摘要

潜像核個数線密度は単位長さあたりの飛跡の潜像核個 数によるエネルギーロス評価法で、G．D．（grain density）よ り広い測定範囲を持つ1）。抑制現像により潜像核周辺のハ ロゲン化銀だけを微小な現像銀粒子へと還元することで、 潜像核個数情報が得られる。ただ、現像銀が微小で、光学 顕微鏡の解像度以下となる。微小銀粒子が示すプラズモン 共鳴発光を利用すれば、粒子数のカウントが光学顕微鏡 でも可能と考えられる。また、乳剤に硫黄増感処理やTz 化合物の添加を行うと、潜像核の分散が促され、より多 数の潜像核が形成されるため、エネルギーロス測定範囲を さらに拡大できると考えられる。本研究では、局在プラズ モン共鳴発光を用いることによる潜像核個数線密度の測 定簡易化と、潜像核が多数形成される感光材料の作製によるエネルギーロス測定範囲のさらなる拡大を試みた。