パワーステアリングは自動車の進行方向を変える機能を有する装置で,運転者が少ない力で操舵できるようにステアリングホイール(SW)を回す力を補助(アシスト)する動力が装備されている.その動力装置も省エネルギーの要求により,常時エンジン回転エネルギーを消費する油圧ポンプから,必要なときだけ電気エネルギーを消費する電動モータに切り替わってきている.運転者のSWを回転させる力(操舵トルク)をトルクセンサで検出し,モータコントロールユニット(MCU)で電動モータの回転を制御し,SWを軽く快適にアシストするパワーステアリングを電動パワーステアリング(EPS:Electric Power Steering.図1)と呼ぶ.このEPSは多くの電子部品で構成されており,そのうちの1個の電子部品が故障してもEPSのアシストが停止し,SWは少ない力で操舵できなくなる.故障してもアシストを継続できれば.運転者はSWを少ない力で軽く操舵でき,運転を快適に継続できる.この故障時もアシストを継続する制御であるバックアップ制御の開発を紹介する.
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