精密鍛造によるネットシエイプ、ニヤネツトシニイプ部品の現状

摘要

今日の厳しい経済状況下、鍛造品についても高品質で低価格のものが要求され、最近ではコストダウンのためネットシェイプ、ニヤネットシェイプの鍛造品が要求されるようになってきた。 高品質でコスト競争力のある鍛造品を作るには、その鍛造品の生産に適した鍛造機の選定は勿論重要であるが鍛造機の特性を知り、その特性に適合した工程設計を行う必要がある。 代表的な鍛造機にはハンマ、フォージングプレス、アブセッタ、フォージングロールがあるが、近年はフローフォーミングの活用もある。 近年熱聞及び冷間鍛造の長所を組み合わせた複合精密鍛造法が、ネットシェイプまたはニヤネットシェイプの成形に多く用いられるようになってきた。 成形の容易な熱間鍛造により、後工程の冷間鍛造される部分の予備成形を行い、熱処理、ショットブラスト、ボンデライト等の潤滑処理を行い、冷間成形により精度を高める方法で、その精度は冷間鍛造と同等で冷間鍛造の場合に必要な球状化焼鈍及び中間焼なましが不要で熱間鍛造後必要に応じて焼準を行い、冷間成形を行うことができるため、高炭素鋼の場合でも熱間予備成形後、焼準して冷間成形を行うことができる。 更に歯車類の複合鍛造では、その大部分の成形を熱間歯出し鍛造で行い、冷間成形を少なくすることができるため、成形時に発生する残留応力が冷間鍛造品と比較して小さく浸炭歪みは機械加工品と同等である。