播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆囊炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆囊摘出術を施行し良好な経過を得た一例

摘要

要旨播種性血管内凝固症候群（DIC)を合併した急性壊死性胆囊炎に対して手術療法や敗血症ならびに凝固線溶異 常に対する集学的治療が重要となる.2017年に公表された日本版敗血症診療ガイドラインでは，敗血症性 DIC患者に対するリコンビナント?トロンボモジュリン製剤（rTM)について，現時点では明確な推奨を提示 しない（エキスパートコンセンサス/ェビデンスの質「B」）となっているが，rTMの敗血症性DIC症例への 応用により敗血症の予後が改善する可能性を示唆する報告が相次いだ.今回，CT所見で急性壊死性胆囊炎を疑った時点で速やかに外科的介入を実施し，術後速やかにDICを診断 して，早期よりrTM投与を実施し，良好な臨床経過を得た一例を経験したので報告する.