㈱エネルギア·コミュニケーションズ向け福山市FTTH映像配信システムの構築

摘要

通信用に敷設された光ファイバ網に、通信信号で使用している波長と異なる波長を用いて放送信号を伝送するシステム（FTTH放送波オーバレイ方式）は多チャンネル放送信号を、低コストで伝送し、著作権処理の問題も従来のケーブルテレビの枠組みの中で、解決できる方式として注目されている。 光ファイバを用いて、多チャンネル放送信号を出来るだけ長距離伝送し、多くの加入者に効率的に分配する方法として、1.55μm帯の光を用いて、AM-VSB (Amplitude Modulated Vestigial Side-Band)方式で変調し、EDFAにより増幅、スプリッタなどの光受動部品で分配する方式が用いられている。本方式では、光ファイバの波長分散、SPM (Self Phase Modulation)、SBS (Stimulated Brillouin Scattering)などの線形、非線形の影響を受けるため、伝送距離の増大により伝送性能の最適化が極めて難しくなる。 本報では、㈱エネルギア·コミュニケーションズに納入·設定した、中継区間距離231km、アクセス区間距離40kmのFTTHビデオオーバレイ放送システムの概要と、システムの中で使用した機器類について紹介する。