燃料電池車市販へのカウントダウン：未来への助走再認識、内燃エンジンのすばらしさ

摘要

昨年はトヨタFCHV-4の、今年はホンダFCX-V4の試乗会が行われた。 そして来年の夏頃には、このどちらかのメーカーから世界で初めての燃料電池車の販売が開始されるという。 あとおよそ一年。 それまでにクルマ社会がどのように変わるのか。清水和夫が最前線をリポートする。 時代は完全に環境が主役となろうとしている。 文明の成熟と人口増加の結果、様々な環境問題が生じていることは多くの読者が肌で感じているはずだ。 地球温暖化が注目されるようになってから、すでに10年という年月がたっているが、いまだにその対応策に苦慮しているのが現実だ。 「石油に頼ってきた20世紀のエネルギーシステムでは、地球温暖化を加速するだろう」という警報が鳴らされたのが1992年。 ブラジルのリオデジャネイロで開かれた地球温暖化防止会議であった。 破局的な環境破壊を回避するためにスタートした世界的な取り組みは、自然気候に対して人為的影響を与えないよう温室効果ガス濃度を安定化させることを目的としている。1997年に行われた京都会議(COP3)では、先進国の温室効果ガスの削減目標を決めた。