高血圧における免疫系の役割

摘要

高血圧は心不全進展ステージで最初の段階にみら れ，増加する心不全患者数抑制の鍵となる病態で ある。心不全における交感神経活性化は明らかで あるが高血圧の発症,進展における交感神経活性 化の重要性はその機序を含めよく知られていな い。近年の研究により慢性炎症,免疫系の異常が 自律神経系とネットヮ一クを形成していることがわかってきた。我々は高血圧における制御系T細 胞の変化や脳血管周囲マクロファージが脳内へ情 報を伝え炎症性変化を介した交感神経活性化につ ながっていることを見いだした。海外でも高血圧 の成因や病態と関連して免疫系の変化に注目した 研究報告が進み始めている。