多様な神経疾患治療に応用可能な次世代型ダイレクトリブログラミング法の開発

摘要

iPS細胞の発見から，皮膚線維芽細胞等に転写因子などを強制発現させると異なる細胞種を誘導できることが示された。同様に，神経細胞に特異的な転写因子群を線維芽細胞等に強制発現させることで神経系細胞を誘導するダイレクトリプログラミング法が開発され，誘導された細胞はinduced neuronal cells（iN細胞）と名付けられている。これまでにグルタミン酸作動性ニューロンやドパミン作動性ニューロン，運動ニューロン，神経幹細胞等様々な種類の神経細胞が異なる転写因子の組み合わせによって誘導できることが明らかになっている。今後，細胞治療や診断法開発など臨床応用が期待されている。