3Dスキャナーを用いた顔面拘縮の評価法の開発

摘要

緒言:末梢性顔面神経麻痺の後遺症には病的共同運動と顔面拘縮などがある。適切な治療を受けたにもかかわらず高度に障害された顔面神経は、再生時に迷入しもともと支配していた表情筋と異なる表情筋を過誤支配することで病的共同運動を発症する[1]。一方、顔面拘縮は病的共同運動によって不随意な表情筋の収縮が持続し起こる安静時の顔面非対称である。中でも最も不快なのは頰骨筋などが持続的に収縮するために頰部が盛り上がり、鼻唇溝が深くなることである。我々はこの頰の盛り上がりに対する治療法を開発しているが、客観的な評価方法が確立されていないため治療法の効果を証明することができない。また、頰が盛り上がり、鼻唇溝が深くなる顔面拘縮を評価するためには3次元的な解析が必要である。そこで、3Dスキャナーを用いた顔面拘縮の評価方法を開発することとした。