Bell麻痺に対するステロイドと抗ウイルス剤併用療法の課題

摘要

Bell麻痺においては顔面神経管内の炎症と浮腫を改善し、 麻痺の回復を促すためにステロイド療法が広く行われており、 いくつかのmeta-analysis、ガイドラインにおいてもその有用 性が検証されている[1-3]。さらにBell麻瘅においては herpes simplex virus type1(HSV-l)再活性化が主要病因 であり、また臨床的にBell麻痺と診断されるvaricella-zoster virus (VZV)再活性化例のzoster sine herpete (ZSH)が少 なからず混在することから、抗ウィルス剤とステロイド剤の 併用療法についても臨床試験が施行されてきた。結果は様々 であり、プロトコールの差異が関与していると考えら れる。本稿では、これまでの臨床試験、meta-analysis結果な どから併用療法の課題について述べる。