Hunt症候群高度麻痺例に対するステロイド?抗ウイルス剤の高用量併用療法保存的治療の限界に挑む

摘要

水痘帯状疱疼ウィルス（以下、VZV)の再活性ィ匕が原因と されるRamsay Hunt症候群（以下、Hunt症候群）における 顔面神経麻痺はBell麻痺と比較して予後不良とされるせ、 Devrieseら[1]はその無治療での自然治癒率を29%と報告 している。これまでHunt症候群に対してはプレドニゾロン (以下、PSL) 60mgに加えァシクロビル（以下、ACV) 4000mg の内服投与もしくは750mgの点滴投与が標準治療とされて きたが、中等度?高度麻痺に対する治癒率は53%と報告され ている[2]。これに対して稲村ら[3]はHunt症候群の高度 顔面神経麻痺のみを対象として、ACV 750mgの点滴に加え てStennert法[4]に準じたステロイド大量法（PSL 200mg 点滴）を行ったが、その治癒率は61%にとどまったとしている.