再手術により顔面痙攣が消失した人工内耳手術症例

摘要

人工内耳埋め込み術後のトラブルには、皮下血腫、インプ ラント周囲皮膚壊死、耳後部の膿瘍形成、鼓膜穿孔、中耳炎、髄 膜炎、真珠腫形成、電極アレイ位置異常（耳管、前庭、内頸 動脈管、内部耳道など)、電極逸脱、人工内耳装置（レシーバ スティミュレ一タ）故障、めまい?動摇感、味覚障害などが あるが、人工内耳電極による刺激にて顔面痙攣をまれに認め ることがある。今回、我々は左人工内耳埋め込み術施行後に 人工内耳使用時より会話や音に同調して顔面痙攣が認められた症例に対して、関連した電極の刺激調整、4年後に反対側 の右人工内耳埋め込み術、8年後に左人工内耳埋め換え術を 施行したのでその経過を報告し、人工内耳電極による顔面神 経刺激について考察する。