顔面神経麻痺の後遺症評価：Sunnybrook法

摘要

カナダ·トロントのSunnybrook医療センターのRossら［1］が1996年に論文報告している。この評価表では、随意運動の回復、安静時非対称性、病的共同運動の3つ要素から構成されており、随意運動の回復点から安静時非対称点と病的共同運動点（随意運動による顔面非対称性）を引き算した複合点を求めている（表1）。 つまり顔面神経麻痺の回復過程は、随意運動の回復と共に、後遺症としての顔面非対称性が出現するという基本概念に基づいている。 随意運動は、額のしわ寄せ（前頭筋）、軽い開眼（上限輪筋）、微笑（頬骨筋／笑筋）、前歯を見せる（上唇挙上）（上唇挙筋／上唇鼻翼挙筋）、口笛（口輪筋）の5項目であり（図1）［2］、これらは同時に病的共同運動の重症度の評価にも用いられる。5項目の随意運動の回復程度に応じて各1～5点であり随意運動の素点は5～25点となる。