ボツリヌス毒素併用末梢性顔面神経麻痺リハビリテーション導入期におけるFaCE Scaleの変化

摘要

緒言:末梢性顔面神経麻痺は生命予後には寄与しないが、Quality of Life (以下QOL)を大きく下げる代表的疾患である。臨床の場においてはスコア的に治癒レベルに回復していても満足していない患者がいる。そのため、患者のQOLを評価する手段として当院では飴矢らが和訳した“FaCE Scale日本語版”[1]を用いている.顔面神経麻痺リハビリテーションの目的は麻痺の回復と後遺症の予防であるが、後遺症としては病的共同運動と拘縮が大きく問題となる。この後遺症を治療する方法として、A型ボツリヌス毒素が知られており、ボツリヌス毒素併用末梢性顔面神経麻痺リハビリテーションの有効性は多く報告があるが、その有効性をFaCE Scaleで評価した報告は少ない[2,3]。今回は、初回ボツリヌス毒素併用末梢性顔面神経麻痺リハビリテーションを実施した患者において、その前後でのFaCE Scale日本語版を利用したQOLの比較を行ったので報告する。