ダブルバルーン小腸内視鏡と腹部造影CT検査が診断に有用であった小腸動静脈奇形の1例

摘要

患者は38歳の男性.黒色便，貧血を主訴に入院.18年前にも大量下血の既往があり.上部消化管ならびに大腸の内視鏡検査にて出血源となる病変認めず.ダブルバルーン小腸内視鏡検査にて幽門より約230 cm肛門側の空腸に約8 mmの立ち上がりなだらかで，頂部にびらhを伴う表面平滑な半球状の粘膜下腫瘍様隆起を認めた.また，腹部造影CT検査にて左上腹部空腸に動脈相にて濃染する約8 mmの結節を認めた.本病変が出血源と考え，小腸部分切除術を施行し，病理組織学的に動静脈奇形と診断した.ダブルバルーン小腸内視鏡は小腸動静脈奇形の診断に有用であると考えられた.