ブタ未成熟卵子に対するButyrolactone－Iの卵核胞崩壊抑制効果

摘要

ブタ未成熟卵子における，Butyrolactone－I（BL-I）の卵核胞崩壊（GVBD）抑制効果および，その効果の可逆性について調べた.卵子を，弘1に2時間感作させた場合，20μM以上の濃度でGVBDが高率に抑制された．また，未成熟卵子を20μM BL-Iに感作させた後に，BL-I無添加成熟培養液中で培養を継続すると，BL-Iに感作させずに培養した場合（対照区）と同等の第二減数分裂中期への成熟率が得られた．さらに，Cdc2カイネース活性の指標としてヒストン＝1カイネース（HIK）活性を調べたところ，BL-Iに感作させた卵子のHIK活性は，感作させなかった場合に比べて有意に低かった．また，BL-IBに感作させた後，BL-I無添加培養液で成熟培養した卵子の＝1K骨性は，BL-Iに感作させずに成熟培養した卵子と同等の値を示した.したがって，BL-Iは，ブタ卵子のCdc2カイネース活性を低く抑えることにより卵子のGVBDを抑制し，その抑制効果は可逆的であることが示唆された.