目立つ毛穴に対するフラーレンの効果とメカニズム

摘要

「目立つ毛穴」というと，10~20代の肌悩みであることはもちろh，30~60代の中高年層であっても，70%以上が毛穴の目立ちを気にしており，幅広い年齢層が目立ちがちな毛穴に対して悩みをもっている。そのため，近年は毛穴対策用のスキンケア製品が増えている。毛穴が目立つ原因として，「皮脂」の存在が挙げられる。皮脂量と毛穴サイズは，正の相関関係にあることが報告されており，皮脂分泌量の多い若年層における目立つ毛穴は，皮脂や角栓の影響が大きい。一方，皮脂分泌量が低下する中高年層においては，目立つ毛穴と皮脂量はあまり関係がないといわれている。毛穴の大きさは，皮膚弾力性や皮膚柔軟性と負の相関があることが報告されており，中高年層における目立つ毛穴の原因は，加齢によって肌のハリが低下することと関係がある。また，年代を問わず，肌が紫外線にさらされることにより，毛孔でメラノサイトが活性化して色素沈着が起こることにより毛穴が目立つことも知られている。以上のことから，世代により皮脂·角栓·老化による組織変化に加えて，紫外線による影響など，目立つ毛穴は様々な要因が複雑に関与している。また，ニキビや吹き出物の跡が，目立つ毛穴の原因になることも知られていることから，ニキビや吹き出物ができにくい肌状態を保つ，あるいはニキビや吹き出物を早期に改善することも，目立つ毛穴の対 策に有効である。