バス事業者訪問 205 小田急バス株式会社 小田急シティバス株式会社

摘要

小田急バスは東京都区部西部から武蔵野·多摩地域，神奈川県の川崎市北部·横浜市に路線網を展開している。社名が表すように小田急グループのバス事業者だが，路線網は小田急線沿線のみならずJR中央線や京王線沿線，さらに東急線に至る広いエリアをカバーする。小田急バスの前身は，1932（昭和7）年6月に設立された武蔵野乗合自動車で，当初は調布駅（京王）と吉祥寺駅，武蔵境駅（現JR）間などでバスを運行した。なお武蔵野乗合はさらに遡ると安全自動車の乗合事業が源流にあり，その関係で武蔵野乗合の設立から間もない時点では，車両は安全自動車が輸入総代理店となっていたダッジの9人乗りが6台と記録されている。戦時中は全国的に公共交通の合併·統合が国策として進められたが，武蔵野乗合は単体で存続し終戦を迎えた。戦後は国際興業傘下となった一時期を経て1950（昭和25）年8月に小田急電鉄グループとなり，同年9月1日に小田急バスへと社名を変更して現在に至る。