バス事業者訪問No.204 四国交通株式会社

摘要

徳島西部の三好市を中心に路線網を展開する四国交通は，2017年10月に創立60周年を迎えた。同社の源流は1925（大正14）年に池田で路線バスを始めた美馬自動車株式会社に遡る。美馬自動車は，1925 年9月1日に当時の三好郡池田町中心部と三縄村大利出合を結ぶ13.5kmの路線を開業，同年11月25日には三縄村大利出合から西祖谷山村一字を経由し東祖谷山村京上まで結ぶ33.45kmを開業した。この路線は道路改良により経路は若干載せ替えら，れているが，祖谷線として現在もバスが走る。大正末～昭和初期は日本のバス事業が相次いで誕生した時期であり，鉄道や水運を用いた農産物の集散地である池田でも，中小のバス会社が相次いで創業した。この地域を含む徳島県西部のバス事業者は，第二次世界大戦中の1943（昭和18）年12月に戦時統合により西部乗合自動車有限会社となり，終戦を迎えた。統合から14年目の1957年10月14日，徳島西部交通から他の4事業者とともに分離独立したのが，現在の四国交通である。四国交通は徳島西部交通の池田第一営業所および池田第二営業所とその管轄路線が一社となって発足し，1963年以来，徳島バスの子会社として県西部を地盤にバスを運行している。