テスト信号を注入してインピーダンスの変化点を調べる－配線診断『TDR測定』：第3回,最終回 プリント基板を診断してみる

摘要

本連載のテーマであるTDR計測は，ケーブルやプリント·パターンなど伝送線路の入力端にステップ状波形を加えて，その応答波形から途中にあるインピーダンスの不連続を読み解いてみようという計測方法です．今回は，TDR計測用高速ステップ波形発生器（第1回で製作．本稿末でも頒布サービスを紹介）を使って，TDR計測が現実のプリント基板のようすを把握するのに有効なことを実験で示します．TDR計測の応用である「伝送線路のインピーダンス変化の計測方法」の基本や，使用した機器の測定限界も理解できます．これらにより，出力端がどのような回路のときに，どのようなTDR計測波形になるかを理解していきましょう．基板上で特性インピーダンスが不連続になるようすを把握でき，信号伝送のトラブルも解決できます．