オレフィンの2015年見掛内需、2％増の597万tと3年連続で増加－国内景気改善反映も円安と市況高による輸出が下支え－

摘要

オレフィンの2015年（1－12月）見掛内需（生産＋輸入－輪出－在庫増減）は、エチレン、プロピレンともに前年より増加し、エチレンの見掛内需が1．8％増／プロピレンが1.5％増となった。エチレン生産量は各社クラッカーの高稼働を背景に3．6％増加したが、内需は生産量ほどには増えておらず、輸出が需要を下支えした様子が見て取れる。エチレン換算内需で見ても5．8％減の489万1，600トンと2年ぶりに500万トン台を割り込むなど、むしろ内需は縮小傾向にある。一方、プロピレンはアジア市況が低位で推移するなど市場環境は良好とは言えないものの、国内では需要が堅調に推移した。2016年は翌年に控えた消費税増税を見越し、下期に前倒し需要が発生することも考えられるが、為替動向によっては輸出減少も予想されるほか、クラッカー停止に伴って誘導品設備も幾つか停止するため、オレフィン内需が前年を下回るのは必至とみられる。