フェノール、2014年はスプレッド好転～ベンゼン価格下落が追い風－2015年は新たに4プラント稼働／減産でバランス調整か－

摘要

フェノールは、原料ベンゼン価格の下落もあってスプレッドが改善に向かい、メーカーにとっての事業環境は好転した。需要面でもBPA（ビスフェノールA）の増設分が寄与しており、今後もBPA設備の増設に見合った需要増加は最低限確保できる見込み。ただ、川下のPC（ポリカーボネート）樹脂は需要低迷で採算が悪化し、フェノールの需要でシェアの大きいBPA～PCのラインは収益性が厳しく、チェーン全体で収益性を伴った健全な成長にはなっていない点が懸念される。また、2015年は新たに4つのフェノールプラントが稼働するため、各メーカーは市況を睨みながら稼働を調整していくことになりそうだ。