金型表面の微細周期構造で動的な濡れ性を改善した樹脂成形品

摘要

固体表面の微細で周期的な構造（微細周期構造）が、それに付着する液体の挙動に影響を与えて濡れ性を変化させることは、植物学者の間では公知の事実であった。この仕組みの人工物への適応が、生物模倣（バイオミメテイクス）として注目を集め、産業応用が模索されている。これまで、撥水性はフッ素樹脂などの撥水性高分子を塗布して「化学的に」付与されてきたが、剥離等の問題があり長期的な効果は期待できなかった。そこで、固体表面の微細周期構造を制御することで、静的接触角が150°を超える超撥水性を「物理的に」付与することが注目されている。