(D020)初期曲率がローラ矯正の板反り矯正効果の安定性に及ぼす影響

摘要

ローラ矯正では板製品に求められる重要な品質の一つである平坦度を造り込むが，その操業条件設定はまだまだ熟練オペレータの経験への依存が高い．ローラ矯正効果はローラ矯正中に被矯正板に付与する曲率の大きさ（以下，加工曲率という）の最大値（以下，最大加工曲率という）に強い相関を持つ．一般には，最大加工曲率を極力大きくすることで初期曲率のばらつきに対する残留曲率のばらつきを低減できる1) と考えられている．ところが，初期曲率のばらつきに対する残留曲率のばらつきは最大加工曲率に対し極小値を示すことが数値解析により示されている2)．その理由は，初期曲率の均一化には最大加工曲率を大きくすることが有効なものの，漸減曲げでの残留曲率の最小化には最大加工曲率を小さくするほうが有効なためと説明されている．