(S300)非金属介在物分析のオンライン·オンサイト化のための装置開発

摘要

鋼中の非金属介在物は伸線·撚線工程での破断、疲労破壊、水素誘起割れなどの問題を引き起こすため、介在物分析は鉄鋼生産において重要な工程である。介在物分析では種類、大きさ、形状が測定され、一般的に、検鏡法と電子プローブマイクロアナリシス(EPMA)を用いて行われている。この分析は1週間程度の時間がかかるので、生産性向上のため、介在物分析の迅速化が望まれている。この問題を解決する方法の一つがオンサイトあるいはオンラインによる介在物分析であると考えられる。本研究では、X線照射によって価電子帯の電子が伝導帯、欠陥準位あるいは不純物準位に励起されることで、価電子帯に正孔が生じ、この電子と正孔が再結合する際に発生する可視光域の光を測定する方法であるX 線励起ルミネッセンス(X-ray exited optical luminescence: XEOL)によるオンライン分析の可能性について調査した。本研究では、連続鋳造におけるノズル閉塞や伸線·撚線工程での破断の起点となるアルミナ(Al2O3)およびスピネル(MgAl2O4)介在物を測定対象とした。