(S448)小型加速器中性子源での小角散乱装置開発とそれを用いた金属材料中の析出物の相推定

摘要

中性子小角散乱(small angle neutron scattering: SANS)法は、試料を薄膜化すること無く、金属材料中のナノ析出物の平均のサイズ、形状、数密度を推定出来る優れた手法である。しかしながら、原子炉または大型の加速器施設を必要とするため装置数が限られ、新材料の研究開発への適用に限界があった。このような現状に対し、我々は、数nm 程度の析出物の構造解析に特化することで、小型加速器中性子源での測定を可能にした新装置iANS を開発している。これまで標準試料の測定や大型施設との結果比較を行い、実用に足る確度の測定が可能であることが分かってきた1)。本発表では、開発中のiANS を用いた金属材料の小角散乱測定の結果、特にX 線/中性子コントラストを利用したAlloy ContrastVariation(: ACV)法2)による析出物の組成推定について報告する。