Fe-30Mn の加工誘起εマルテンサイトおよび変形挙動の温度とひずみ速度依存性

摘要

高Mn オーステナイト鋼は、積層欠陥エネルギーが低く、高 い加工硬化を示し、様々な耐衝撃性を必要とする製品として 用いられている。また、レアメタル安定供給や鉄鋼材料の価 格安定化、低価格化を進めるために、Ni の代替として比較的 安価なMn の積極的な利用が検討されている。ところで、Mn を適量配合された準安定γでは、熱処理やTRIP によりεマ ルテンサイト(HCP)が生成することが知られている。本研究で は、εマルテンサイトが生成するＴＲＩＰを伴う鋼の強度や延性 に及ぼす、温度とひずみ速度の影響について系統的に検証 することを目的とした。