(S254)転位セル組織を有する鉄の強化機構

摘要

冷間加工した金属の流動応力が平均転位密度の平方根に比例して増大することは、Bailey-Hirsch の関係として広く知られている。一方、加工した金属では、転位セルと呼ばれる不均質な組織が形成されることも分かっている。転位強化の機構としては、すべり面上の林転位と運動転位の相互作用に基づくと考えられているが1)、転位セル組織を有する加工材の強化機構については未だに解明されていない。本研究では、冷間加工した鉄について、転位セル壁とセル内の強度の混合則2)3)で強化機構を説明することを試みた。