(S062)インゴットキャスティングにおける偏析および鋳造欠陥と機械的性質への影響

摘要

凝固はその性質からミクロおよびマクロ視野における偏った組織を形成するが，これらの偏析はその後の組織制御過程のみならず得られる製品性能に大きく影響する因子である．このミクロおよびマクロ偏析は鋼の連続鋳造をはじめ，インゴットインゴットキャスティングにおいても，理解および制御すべき現象であるが，さらにひけ巣などの鋳造欠陥を含め，鉄および非鉄合金にも共通する重要な問題である．機械的性質や後工程の変形挙動と鋳造欠陥の関連性を調査することは，偏析および欠陥制御の指針を与えるものと思われるが，凝固現象の複雑さから十分理解できているとは言い難く，特にAl 合金やMg 合金等のインゴットキャスティングにおいても偏析および鋳造欠陥と塑性変形との関連性については十分解析されているとは言い難い．そこで本研究では，鋼の連続鋳造におけるミクロおよびマクロ偏析とひいては塑性変形との関連を深めるために非鉄合金における凝固組織の解析と機械的性質について調査した．