( S283) NiCrMoV 鋼のオーステナイト結晶粒径に及ぼす合金元素の影響

摘要

NiCrMoV 鋼は古くから大型タービンのロータシャフトに適用され、軸心まで強度と靱性に優れた実用性の高い低合金鋼とて位置づけられる事から、同鋼は他の大型部材の候補素材としてしばしば検討される。一方、同鋼は?化処理(?/?逆変態)による細粒化が難しいため(1, 2)、結晶粒微細化が要求される場合、繰返し?化処理により細粒化することが多く、必然的に熱処理工数や時間が増加してしまう。したがって、同鋼の適用範囲を拡大するには、?化処理を繰返さずに細粒化可能な組成に改良する必要がある。本研究では、NiCrMoV 鋼において、?結晶の細粒化が可能な化学組成を明らかにすることを目的とし、合金元素量を変動させた試験鋼塊材を作製し、それらの結晶粒微細化挙動を調査した。