マイクロ引張試験によるDP 鋼打ち抜き部の機械的性質評価 （DP 鋼の打ち抜き大変形の定量化－4）(S035_1)

摘要

DP（Dual Phase）鋼は延性のあるフェライト相に高強度のマルテンサイトを分散させた複相組織を有しており、強度と延性のバランスに優れているため、輸送機器の軽量化に適した材料の一つである。また、DP 鋼は深絞りや打ち抜き工程に適しているが、打ち抜き加工において、局部的な延性·破壊過程が加工性を支配していることから、局部延性機構の解明や成形後の局所的な機械的性質、残延性の評価が求められている。ところで、我々の研究室では、試験片サイズが数μm から100 μm の微小試験片に対する機械的性質評価法の開発を行ってきた。この計測法を応用すると、打ち抜き部近傍の微小領域の機械的性質を評価することが可能となる。そこで、本研究では打ち抜き加工を行ったDP 鋼の切り口面近傍からマイクロスケールの微小試験片を採取し、引張試験を行うことにより、切り口面の微小領域における機械的性質について調査した。