熱処理合金化法にまるすず－パジウム合金めっき鋼板形成の試みとその表面特性

摘要

めっきプロセスは様々な環境規制の制約を受け，これを克服することが大きな課題となっている.合金めっき皮膜は表面皮膜にバリエーションを与え，時には環境負荷の高い金属に対する代替めっきとしての役割も果たすことができるが，従来の合金電析法では，錯体を形成させるためにシアンなどの環境負荷性の高い化学薬品を用いることになることが多く環境への優しさという点において問題がある.パラジウムは貴金属めっきとしてしばしば用いられる金属であるが，アンモニウム浴が使われることが多く，環境負荷性が高い.本研究では,銅板上のすずめっき層に加えてパラジウム膜をスパッタリングにより形成させ，これを熱処理合金化法の適用により層間の反応を起こさせてすず－パラジウムの合金皮膜形成を試み，併せてその表面特性を調べ，電気めっきと気相めっきの融合技術による環境負荷性のより低いすず－パラジウム合金皮膜形成プロセスを検討した．