水素化物生成-高出力窒素マイクロ波誘導プラズマ発光分光分析による鉄鋼中のヒ素, ビスマスおよびアンチモンの同時定量

摘要

近年、誘導結合プラズマ（ICP）と同様にドーナツ型のプラズマを形成することのできる，新しいタイプの高出力（1kW）のOkamoto型キャビティーが開発された~1,2）。 質量分析のために開発された，このキャビティーを用いて得られるプラズマの大きな特徴には、アルゴンTCPと比較すると，窒素をプラズマガスに用いることによってアルゴンに起因する干渉が起こらなくなることと，溶液試料の直接導入が可能になったことなどがある。本研究では，この新しいタイプの高出力（1kW）窒素マイクロ波誘導プラズマ（MIP）を励起仮に用いて，通常の試料導入の方法である溶液噴霧法と水素化物生成法を適用して，ヒ素，ビスマスおよびアンチモンの発光分光分析の比較を行った。 さらに，実試料分析への応用例として，水素化物生成一高出力窒素MTP発光分光分析によって鉄鋼中のヒ素，ビスマスおよびアンチモンの3元素を同時定量した。