Melilite を利用した高塩基性?高粘性モールドフラックスの結晶化（新しい結晶相析出に着目したモールドフラックスの開発－３）

摘要

前報1)2)において、高塩基性かつ高粘性で鋳片中に巻き込まれにくい特性を有するMelilite 結晶系モールドフラック スの開発ならびに丸ビレット連続鋳造実機への適用成果について述べた。従来、高塩基性かつ高粘性なモールドフ ラックスは、フィルムの結晶化の不安定さに起因すると考えられる鋳型内熱流束変動の増大が実用化への障壁であっ た。前報では、結晶の組成が高塩基性かつ高粘性という特質を満たすMelilite を晶/析出するモールドフラックスを開 発し、鋳型内熱流束を安定化することに成功した。開発したモールドフラックスは、Melilite の化学組成に近く不純成 分が少ないのでMelilite が主たる結晶相として晶/析出しフィルムの結晶化が安定したと考察したが、フィルムの結晶 化に関する実証データが不十分であった。本報では、異なる冷却速度条件下におけるモールドフラックスの凝固温度 測定、および溶融フラックスの冷却過程における高温XRD 解析の結果から、フィルムの結晶化の安定さについて考 察した。