極点間の方位をもつγ単相Ni-20mass%Cr合金単結晶のクリープ変形による方位の変化

摘要

これまで標準ステレオ三角形の3極点および内部の方位をもつγ単相Ni－20mass％Cr合金単結晶のクリープが調べられてきた。 その結果、クリープ速度一時間曲線の形状は、応力軸と主すべり面のなす角度θで特徴づけられることが定性的に判明した。すなわち、θが45°より小さい場合、変形が進行してすべり面が立つとθは45°以下の値を示すようになり、Schmid Factorは減少する。 一方、θが45°より大きい場合、変形が進行するとθが減少し45°に達するまでSchmid Factorが増加する。 初期θが45°を超えるか否かによる変形の違いを確かめるために、標準ステレオ三角形の極点問に位置する3つの結晶のクリープ試験を行った。 その結果、Fig. 1に示すように、初期θの値が45°よりも小さいAおよびCに位置する結晶では、クリープ速度は減少し続けて加速に至った。 これに対してBに位置する結晶では、初期値が50°であるためStage II においてクリープ速度が一度増加した後に再び減少した。 これは変形が進行すると、前述したようにSchmid Factorが増加したために生じたものと推論した。