ムライト質耐火物のマイクロ波電場加熱と高温複素誘電率(J003_1)

摘要

CO_2排出量削減を目指した新製鉄法として，マイクロ波を熱源に用いたプロセスが研究されている．原料の断熱，及び銑鉄保持のため，マイクロ波炉内にはアルミナ質やムライト質のレンガやボードなどのセラミックス製の部材が使用される．これらのセラミックスは，高温においてランナウェイ加熱と呼ばれる急激な昇温が起こる事があり1)，これにより部材自身が溶損し，連続操業を行う上で問題となっているため，ランナウェイ加熱が起こる条件や機構を解明することが求められている．本研究では，マイクロ波炉の耐火物としてムライト質レンガに注目し，そのランナウェイ加熱と複素誘電率との関係を求めるため，i)レンガ及び充填率を変化させたペレットをマイクロ波で加熱させ，昇温挙動を調査した．また，ii)試料のマイクロ波吸収量の温度変化を知る為，ムライト粉末の複素誘電率を室温から1220°Cの範囲で測定した．