機械構造用炭素鋼鋼材の引抜きにおける内部破壊欠陥の実験及び解析(S023_2)

摘要

1. はじめにS**C により表される機械構造用炭素鋼鋼材は代表的な鋼材であり，その鋼材がどのような場合に破壊するかを調べることは，その鋼材の破壊条件が未だに明確ではないため，依然として重要である．筆者は以前にその鋼材の引抜きにおける内部破壊欠陥の実験及び解析の研究を行ったが1)，その研究の加工条件は，実際の加工条件と多少異なっていた．すなわち，その研究ではダイス全角が45 度のダイスを使用したが，そのダイスは実際の加工においては殆ど利用されない．また，その研究では実際の加工においてよく利用されるダイス全角が15 度のダイスも使用したが，残念ながらそのダイスを使用した場合，解析より得られる内部破壊欠陥が生じるダイス内径は，実験より得られた内部破壊欠陥が生じるダイス内径とかなり異なった．そこで本研究では，実際の加工においてよく利用されるダイス全角が15度のダイス及びダイス全角が30度のダイスを利用して，機械構造用炭素鋼鋼材の引抜きにおける内部破壊欠陥の実験及び解析を行った．なお，紙面が限られるため本原稿では内部破壊欠陥の実験結果のみを記述する．