高齢者に特有な疾患への看護におけるアセスメントとケア:骨?運動器系疾患(骨粗鬆症?転倒?骨折）

摘要

老年期は心身機能の衰退のプロセスを体験しながらも，さまざまな危機を乗り越えてきた英知を獲得できるよう援助することが老年看護の実践の目標でもある.老年期はエリクソンが指摘するように絶望と英知が発達課題であり，人生の統合を行う時期でもある.しかしながら，老年期は心身機能の衰退のプロセスでもあり，心身の自律と依存のバランスを整えるための支援が重要となる.特に骨粗鬆症?転倒?骨折は，図1に示したように生理的老化を基盤とした身体機能の低下や疾患の重度化による多剤併用，不適切な治療やケアから医原性疾患を引き起こしたり活動量を低下させてロコモティブシンドローム，フレイルなどを起こしている.これらの状況は高齢者の廃用症候群を引き起こし，さらに高齢者の生活の質を低下させている.